あの人が寝返りを打って、背中を向けられただけでさみしかった。こんなに近くにいるのに、好きだよとか愛してるよとか言えないのが辛くもどかしい。そんなふうに思いながらあの人の隣で眠りについた夜、夢を見た。私が「彼女と別れる可能性がないならもう会わない、辛すぎる」と伝えたら、あの人は「そっか、そうだよね」とだけ答えて居なくなってしまう、そんな夢。明日にでも起こらないとは限らないリアルなやりとり。行かないで、もう贅沢は言わないからそばにいて。目を覚ますと私は泣いていて、居た堪れなくなってあの人の背中にしがみついた。居なくならないで、お願いだから。そんな思いを込めて、精一杯の力で。「どうしたのー」って寝惚けた声が上から降ってきて、こっちを向いて抱き締めてくれる。いつも優しくてずるい人。私はなんでもないんだよって涙を拭うことしかできなかった。こんなこと言ったら重いんだから駄目、こんなことしたら会ってもらえなくなるから駄目。嫌われないように、この関係ができるだけ長く続くように、溢れそうな気持ちも見た夢の話もしない。ゴールも未来も見えない関係は、近い将来ほんとうにこの夢のような結末を迎えるのだろうね。